Across the Universe

天文ブログでスタートしたつもりが、いつの間にかB級グルメブログになり、さらにダラダラ日記に変化しつつあります。

2021年05月

1日後の水星と金星

今日は昨日よりも夕空が良かったので、引き続き水星と金星の接近を撮影しました。

水星の動きが早く、1日でずいぶん高度が下がり、7×50ミリ双眼鏡での目視でもずいぶん頼りない感じでした。明日以降の撮影は難しそうです。

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2021年5月30日19:42 Canon EOS Kiss X7i EF70-200mm F4 IS USM
(200mm F4) ISO400 露出0.3秒

昨日の7Dはノーマルですが、今日使用したKiss X7iは新改造です。夕空の色味がずいぶん派手になるため、少々発色を抑え目にしました。

水星と金星が大接近

今日は西空で水星と金星が1°以内(最接近時の離角0.4°)に接近するという、なかなか珍しい景色を楽しむことが出来ました。

日没後、金星はすぐに見えましたが、水星は双眼鏡を使ってもなかなか見つけられません。ようやく空の暗さが増して水星が見え始めたものの、撮影に良い時間帯は雲に阻まれてしまい、かなり高度が下がって雲の下に出てからようやく撮影が出来ました。

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2021年5月29日19:45 Canon EOS7D EF70-200mm F4 IS USM(200mm F4) ISO400 露出2秒

金星の左下に水星が見えています。下の雲に隠されていますが、ちょうど我が家からわずかに見える北アルプスの鹿島槍ヶ岳の方向になります。

52年前の接眼レンズ再生

皆既月食は天候に恵まれず、ちょっと残念な結果となりました。

今回撮影に使った望遠鏡と赤道儀は、普段実家に置いてあるものでした。自宅に置ききれない機材の多くを実家に置いてあるのですが、自宅で撮影機材を積み込み、実家によって望遠鏡を積むという作業では、忘れ物問題が発生します。これを避けようと両方に予備の機材を置くという非効率な作業の結果、似たようなものを複数持つという、更に機材が増える悪循環になってしまっています。

接眼レンズ類については、インチサイズのものを自宅に、ツァイスサイズのものの殆どは実家にと分散しています。これは実家の望遠鏡の多くがいわゆる「古スコ」なためです。

月食撮影に出かける前に機材積み込みをしながら、ふと思い立って1969年製TS式65ミリ屈折赤道儀の付属品のケルナー25ミリも持ち出しました。以前にオークションで入手した望遠鏡に付いてきた接眼鏡ですが、接眼側のレンズ内側にクモリが発生していて放置してままにしていたものです。

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レンズ全体が白っぽく見えるのがわかるでしょうか?

昨夜、自室でレンズを分解掃除しました。ケルナー式接眼レンズは2群3枚のシンプルな構造ですから、分解掃除も簡単です。アイレンズはバルサム貼り付けですから、よほどのことがないかぎり貼り合せ面がクモることはありません。対物側と接眼側両方のレンズ内側をクリーニングすれば復活するはずと考えました。

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レンズの押さえ環を緩めるためにカニ目レンチを使い、あとは精密ドライバーで簡単に押さえ環を外すことが出来ました。

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薄いモノコートが一部剥がれていましたが、クリーニング液で拭うとクモリはすっきりと取ることが出来ました。

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この時代の接眼レンズ、五藤やニコンにはレンズのコバ塗りがされているものもありましたが、タカハシのケルナーはコバ塗りがありませんでした。コバを塗ればコントラストが上がると思われるので、近いうちに試してみようと思います。いろいろ調べてみたら、アマゾンで買えるアクリル絵の具が便利なようです。

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今はネット検索で大概のことが調べられて便利ですね。

皆既月食は雲の中

世間では「スーパームーンの皆既月食は24年ぶり・・・」とか騒がれていましたが、星屋さんはあんまり月の大きさには興味がありませんね(笑)
天気予報では北陸から東は晴れ間が覗くので、月食も見られるだろうというものでした。しかしFacebookのタイムラインを見ていたところ、富山は曇り、名古屋も曇り、埼玉も曇り…全国的に雲に阻まれてしまったようです。

私の自宅は東の低空が見えないため、自宅から車で30分ほどの田んぼのあぜ道に機材を準備し、月の出を待ちました。しかし雲がどんどん厚くなり、月の出から10分経っても月を見つけることが出来ません。食分0.5を過ぎたあたりでようやく薄くなった雲の間から月が見えたものの、ピント合わせも出来ないような見え方でした。

それでも何とか望遠鏡で月の位置を確認しつつ、ISOを変えたり露出時間を変えたりしながら皆既中の月を撮影してみましたが、どうにもこうにもこれ以上は写すことが出来ませんでした。肉眼では、殆ど月の位置すら確認できないくらいの厚い雲でした。

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2021年5月26日20:18 SVBONY SV503 80mm ED屈折望遠鏡(FL560mm)+Canon1.4×テレコンバーター(FL784mm) Canon EOS Kiss X7i ISO3200 露出5秒 ビクセンGP赤道儀

幻の天体望遠鏡メーカー

私は1970年代から天文雑誌を読み続けていますが、あの時代はまさに玉石混交、粗悪品を平気で販売する業者の広告内容に対する媒体社の責任などと言うものが存在せず、騙されるほうが悪いというくらいの広告が多かったですね。天文ガイドの広告を見て買ったスリービーチの6センチ屈折赤道儀は、以前の記事にも書きましたが、本当に驚くような粗悪品でした。他にもダウエルやパノップ、ニコルスなどが似たような製品を販売していて、私のように痛い目に遭った方も多いことでしょう。

そんな時代の広告の中に、イギリスの遺跡ストーンヘンジを広告写真に使っている望遠鏡メーカーがありました。うろ覚えですが、ストーンヘンジの歴史ほどではないが、この望遠鏡はあなたの人生の長さならずっと付き合える云々というコピーがあったと思います。

そのメーカーは日本精光研究所、ブランド名はUNITRON(ユニトロン)でした。

長野の田舎に住んでいた私は、UNITRONの望遠鏡の実物を全く見たことがありませんでした。後から知ったことですが、メインの市場はアメリカ合衆国で、当時アメリカのアマチュア天文家の多くがUNITRONを愛用していたそうです。そして今でも愛好者やコレクターが多くいることはネット検索すればすぐにわかり、かなりのシェアを持つメーカーだったと想像されます。

細身ながらしっかりとした工作精度が感じられる赤道儀は、当時の他の国産メーカーの何処とも似ていないもので、赤緯クランプレバーが接眼部すぐ下まで伸びていたり、非常にスマートで扱いやすそうなデザインでした。一説には光学系をツァイス製品を使用していたそうで、当時としてはかなり高価なものが多かったようです。

あれから半世紀、星まつりのイベント会場で1~2度実物を見ることがあったくらいで、まさに幻の望遠鏡メーカーです。調べたところ日本精光自体は今もあるようですが、1990年代に望遠鏡の製造からは完全撤退してしまったようです。

1980年代、接眼レンズがそれまでのツァイスサイズ(スリーブ径24.5ミリ)から1.25インチサイズ(31.7ミリ)に主流が変わった頃、UNITRONからWIDE SCANという、見かけ視界70度前後の広視野接眼レンズが発売されました。たぶん国内のOEMメーカー製だと思うのですが、これまたずっと実物を見ることはありませんでした。

先日、例によってオークションサイトを巡回していた時、この6ミリが出品されていて入札ゼロで最終日を迎えているのを発見しました。開始価格は6,590円でした。とありえず7,000円で入札しておいたところ、開始価格そのままで落札出来ました。

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スリーブには大きなキズもなく、本体もきれいなものです。

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レンズはマルチコートされていて、拭きキズなども目立ちません。内部にホコリの混入がありましたが、対物側のレンズ(たぶんバロー系のスマイスレンズか?)がスリーブと共に外れる形式だったので、外してブロアーを拭いたところほとんどホコリが目立たなくなりました。

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しかしアイレリーフが非常に短く、全視野を覗くにはかなり目をアイレンズに近づけないといけません。外周まで覗くのでなければ、あまり気にならないでしょう。

さて、天気が絶望的に悪い日が続いています。まさかこの時点で長野県が梅雨入りと言うことはないと思いますが、晴れ間を見つけて実視で星像を確認してみたいと思います。

月と水星

昨日から夕方の西空を気にしていたのですが、今日は薄雲があるものの細い月が見えていました。ごく低空に金星も見えましたが、金星が出ている時間は空が明るく、水星を上手く撮ることが難しそうでした。

少し暗くなって、とりあえず月齢2.3の細い月と水星を撮影しました。

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2021年5月14日19:32 Canon EOS7D EF70-200F4 IS USM(78mm F8) ISO800 Tv4s

MGEN3での初画像 M51

連休前に届いたオートガイダーMGEN3ですが、ようやく昨夜初めて使うことが出来ました。

取説を読んでみると使用方法は極めて簡単で、基本的なボタン操作を覚えれば即使用可能でした。事前にガイド鏡の焦点距離の設定や、赤道儀の修正速度の入力などを行っておけば、モニターに映った星像でピントを合わせ、ピントリングのロックをして準備完了です。

望遠鏡の画角が決まったら、ワンプッシュオートガイドボタンを押すだけ。80個以上の恒星がモニター上に現れ、キャリブレーションも自動で行ってくれる上、その後マルチスターガイディングがスタートします。キャリブレーションにかかる時間も数十秒です。

いきなりでしたが、μ210+フラットナーレデューサー焦点(FL1,961mm)で直焦点撮影のテストを行いました。ちなみにガイド鏡はFL100ミリのコーワCCTVレンズです。

結果はガイド精度については申し分なし!でした。μ210レデューサー焦点でもF9.3と非常に暗いため、180秒×10枚の露出では全く足りませんでしたが、今後冷却CMOSカメラなど受光素子が小さめのカメラも使えそうです。とにかく、ガイド星を探す手間が省けるだけで、こんなに楽になるとは思いませんでした。MGEN3、いいですよ。

出来は悪いですが、撮影結果をアップします。良好な画像を得るにはフラットを取り、さらにあと30分くらい露出が必要でしょう。気温が上がり、CMOSのノイズがかなり増えましたね。

りょうけん座M51(写真上が北)
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2021年5月9日21:15 タカハシμ210+フラットナーレデューサー(合成FL1,961mm F9.3) Canon EOS Kiss X7i ISO3200 180秒露出×10枚 タカハシEM200Temma2Jr ラセルタMGEN3オートガイド ステライメージ9、Photoshopエレメンツにて画像処理

さらに双眼鏡の話が続きます

オークションサイトで定期巡回するカテゴリは「望遠鏡パーツ」「双眼鏡」。気になったものはもちろんウォッチリストに登録しますが、たまに終了当日になっても価格が上がっていないものがありますね。たいていは終了5分前から『お祭り』が始まり、延長に次ぐ延長でだいたい相場の価格で落札されます。皆さんマニアなので「これはこの値段なら手に入れておこう」と思うものにはしっかり反応されるものです。

前置きが長くなりました。
先日、双眼鏡のカテゴリで、ビクセンの旧タイプアスコット7×50ミリが開始価格1,000円のまま終了日を迎えているのを見つけました。現行の防水型になったアスコット7×50ミリは、実視界6.4°というかなり狭い視野になっています。かつて理科振興法では7×50ミリ双眼鏡の実視界は7.1°と決められており、実際1970年代頃売られていたものは、
ニコンやフジノンは7.3°でしたが、ビクセンやアストロ、ミザール、エイコーなどは大概7.1°でした。

旧型アスコットは実視界7.1°で、まさにこの慣れ親しんだ昔のスペックでした。同時期に販売していた上級機種アルティマ7×50ミリは6.4°でしたから、普及機の方が広視界だったわけです。

1,000円のアスコットに一応3,000円の上限で入札し、放っておいたら2,600円で落札出来ました。送料含めても3,200円ほど、まあこれでカビが無ければ拾い物という感じでした。

届いた品は、キャップ類が無しでケースのみ付属でした。まあ仕方ない。レンズを注意深く見てみると、片側の対物レンズの内側に薄いカビの発生が始まっていました。鏡胴を外し、内側をアルコールで拭いたところ、殆ど跡もなく綺麗になりました。

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実際に覗いてみると、コントラストが少々低い感じなのと、比較的強めの糸巻型歪曲があります。しかし中央部の像質には大きな問題もなく、2,600円なら良い買い物だったと納得できました。

細部を見てみると、対物レンズはマルチコートで接眼レンズは空気接触面のみマルチコートのようです。プリズムは反射光からしてモノコートのようでした。

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レンズのコバは黒塗りされておらず、白く見えます。この辺りがコントラストに影響しているのかも知れません。

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因みにこちらはアルティマ10×42ミリの対物レンズです。コバ塗りされていることがわかります。しかしアスコットのように鏡胴にネジ切り加工が施されておらず、迷光対策としてはアスコットの方が良いという皮肉な状況が判明しました。

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アルティマは上級機種だけあって、プリズムもマルチコートされています(紫色に大きく見える蛍光灯の反射光がプリズム面です)。

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アスコットはニコン7×50CFと比べると、明らかに色収差が大きいことがわかります。アクロマートレンズの設計には大きな差がないはずですから、ニコンの場合はプリズムや接眼レンズの設計で色収差補正をしているものと考えられます。

しばらく前に数本の双眼鏡を手放したのですが、この2か月ほどで以前より数が増えてしまいました。この勢いで、ツァイス・イエナのBINOCTEM7×50を落札しようと思いましたが、15,000円上限ではさすがに無理でした。もっともツァイスの双眼鏡は歴史が長く、非常に種類豊富なので、もう少し勉強してからの方が良さそうです。
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