ニコン12×40mm5.5°WF
双眼鏡の適正倍率の話です。
天文書などには、口径が大きめで倍率は7~8倍のものが、天体観測向きだと書かれている事が多いですね。
代表的なスペックとすると、7×50mmや7×35mmというものです。
これは、暗い所では人間の瞳が直径7mm程度まで開くことから、対物レンズで集めた光を、接眼レンズで拡大して瞳に導く時の光束の直径(射出瞳径)が7mmに近いものの方が、より無駄なく見ることが出来るという事から来ています。
しかしまあ、より大きく見える方が楽しいですよね。
大きく見える=拡大率が上がるということで、手のぶれもまた同様に拡大されて反映してしまいますから、手持ちで20倍以上の双眼鏡を扱う事は、非常に難しい事にもなります。
手持ちで、ぶれも少なく快適に使える倍率とすると、12倍前後が限界でしょうか。
倍率が高めの双眼鏡は、比較的視野の広いものが多いので、覗いた時の開放感もあります。
写真のニコン12倍双眼鏡は、どちらかといえばバードウォッチングなど、日中の自然観察に向いていると思います。像質は良いので、三脚に取り付けて星を見ても、なかなか良く見えるものです。最近の夜空はベースが明るくなってしまいましたから、少し高めの倍率で見た方が、バックの黒が締まって、見やすくなるようです。
ストラップは、当然『ニコン巻き』にしてあります(以前の記事参照)。斜めロゴ印刷の現行モデルではなく、筋彫りロゴの古いタイプですが、丁寧な造りです。