昨夜は晴れてはいたのですが、高層雲が薄っすらとかかり、どうもスッキリしない天気。それでも久しぶりに観測所に潜り込み、木星と火星を撮像しようと準備を始めました。シーイングをチェックしてみると大きめのシンチレーションが絶え間なくあり、こりゃあ撮ったところで結果は見えているなあとあえなく断念。そうは言ってもせっかく筒の蓋を開けたので、先日購入したアッベオルソの見え味を試してみる事にしました。
 
そう言えば昨夏の星まつりで購入した、国際光器のFUJIYAMA HD-OR6ミリもまだ覗いてなかったなあと思い出し、合わせて眼視インプレッション(そんなたいそうなものじゃありませんが)をしてみました。
 
イメージ 1
 
これがタカハシのアッベオルソ6ミリです。見口にゴムが付いていて、LEシリーズと似た外観です。
 
対象は木星、使用した望遠鏡はMT-160(口径160ミリ、焦点距離1,000ミリ)です。
 
LE12.5ミリで導入し、LE7ミリに交換。まずますの見え方ですが時折大きくボケる状況で、なかなか安定しません。しばらく目を慣らした後、アッベオルソ6ミリに交換しました。さすがにLEとは同焦点設計にはなっていないんですね。ピントを合わせてみると、まず感じたのが「明るい」という事です。一見してわかるくらい、LEよりも木星面が明るく見えます。
 
さらにコントラストもオルソの方が1段良い感じ。NEBの濃淡が、いっそうはっきり見て取れます。こんなに違うのか?というのが正直な感想でした。
 
続いてHD-OR6ミリです。同じOEMメーカー製なのはご存知の通りですが、果たして違いがあるのかどうか?
 
結果は殆ど変りなし、でした。ただ、タカハシの方にはゴム見口が付いているため外の光などが入り込みにくく、そのぶん見易いですね。
 
次に、以前から「よく見える」と思っていた、ビクセン製アッベタイプのオルソ5ミリに交換してみます。これまた同じOEMメーカーがいったん製造休止する以前の、今から10年ほど前の製品になります。アイレリーフが非常に短いため、かなり覗きにくいですが見え味は悪くありません。コントラストも良く、比較で見たLE5ミリよりは細部が見えています。
 
HI-LE3.6ミリも試してみました。バロー系のレンズが組み込まれた設計のため、入射角が小さくなりF6クラスの反射望遠鏡で使用する際に有利です。拡大率は上がりますが、LE5ミリよりは細部が見えている感じがしました。
 
19世紀に発明されたアッベ型オルソスコピック・アイピース、視界の狭さはありますが、実によく見えるアイピースであると再認識しました。安くてよく見えるタカハシのAbbe、おすすめですよ。特に9ミリと12.5ミリは持っていてもいいですね。
 
昨夜使用した、主なアイピースです。
 
イメージ 2
左からタカハシHi-LE3.6mmLE7.5mm、MC Abbe6mm、国際光器HD-OR6mm、ビクセンOr.5mm(廉価版アイピースのオンパレードですね・・・)