私が高校生の頃、VANヂャケットが倒産しました。60年代から、日本のアイビーファッションのリーダー的ブランドだったVANがなくなるというのは、信州の片田舎に住んでいた私にとっても大変ショックな出来事でした。
 
しかし関係者の尽力により、VANのブランドは復活します。私が大学生の頃、高崎や前橋にあったトラッド・ショップでは、数々のブランドに混じって、VANの衣料品もいろいろ並んでいました。80年代初頭、第2次アイビー・ブームともいえる流行期が到来します。アルバイトで稼いでは、トラッド系ブランドのコットンパンツやBDシャツを買いにショップへ出かけたものです。
 
群馬で学生時代を過ごし、就職のため故郷の上田に戻って来てからは、海野町にあった『バロン』が私の贔屓店でした。J.PRESSやNEWYORKERのスーツが揃い、スキャッティのYシャツが各サイズ並んでいました。
 
毎年何着か買うスーツは、全てバロンで買いました。Yシャツも毎月1枚は買っていましたね。デフレの現在と違い、スーツ1着7~8万円、シャツでも7~8千円しました。手取り12万程の給料でしたが、独身の気楽さで、普段着も殆どこちらのお店で買いました。商品の取り寄せもしてくれて、定番柄以外のスーツをカタログから買うことも出来たのです。
 
私が諏訪に転勤し、その後東京に移り住んだ頃、友人から「バロンが店を閉めるらしい」と聞きました。紳士服専門店が、安さを武器にした大型店を郊外に出店して以来、やはりこうしたお店はかなり厳しかったようです。
 
8年ほど前に上田に戻った時には、既にお店は閉店していました。でも、ビルの袖には当時の看板が現在もそのまま付いています。
 
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あの頃、買い物をするといろいろサービスしてくれた店長さん。ずいぶんお世話になりました。一度しっかりとお礼を言いたかったなあ。