またまた実家本棚からの発掘ネタです。
 
私が中学の頃、スリービーチの望遠鏡を買ってしまった直後から、とにかく次はマトモな望遠鏡が欲しいと思いつめる日々が続きます。明けても暮れても頭の中は『天体望遠鏡』の事ばかり。
 
通学路では、電柱を見ては「お、長焦点!」、ドラム缶を見れば「有口径60センチあるな」とか。教科書の余白には赤道儀の落書きを無意識に書いちゃったり・・・、まあ熱病にうなされているようなものでした。
 
当時、いちばん欲しかったのはタカハシの65ミリD型でしたが、もし可能ならもっともっと大きな口径の望遠鏡が欲しいと思っていました。
しかし70年代、屈折望遠鏡で10センチを超える筒を個人で持つというのは不可能でした。なぜなら、口径比12~15の屈折鏡筒はあまりに大きく、価格もとてつもない金額になってしまったからです。
 
口径15センチクラスのニュートン式反射が、アマチュアが持てる望遠鏡では最大級の口径だった時代、カタログに25センチ30センチといった大型望遠鏡を載せていたメーカーは、そんなに多くありませんでした。
 
旭精工(アスコ)、アストロ光学、西村製作所、日本特殊光学(JSO)くらいだったでしょうか。清原光学や日本特殊光機(NTK)などは、どちらかというとオーダーメイドのメーカーというイメージでした。まあ、情報の少ない田舎に住んでいたものですから、正確ではない部分も大いにあると思いますが。
 
当時のアスコとアストロのカタログです。
 
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さて当時、15センチクラスの名機と言えば、アスコのスカイルック160です。鏡筒回転装置付きの160Bには、本当に憧れました。ガッチリとした大型の赤道儀は、今見ても全く古さを感じませんね。
 
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写真のカタログページには、当時の私のメモ「アイピースなし31万円」と書かれています。70年代の30万円というと、物価スライドで考えたら・・・、今で言うと150万円くらいのイメージでしょうか?もうちょっと高いかな?
 
とうてい中学生が買えるような物ではありませんでしたから、カタログを送ってもらって、毎晩眺めているだけ。親にも「これを買って欲しい」とは言えずに終わりました。