先日、2日間ほどホンダのハイブリッド・カー『インサイト』に乗る機会がありました。本社の営業車のうち、2台がトヨタプリウス(2代目と3代目)、2台がインサイトです。そのうちの1台を、高速道路も含め100キロほど運転してみたのです。
 
私は松本勤務時代、昨年6月から今年6月まで、営業車としてプリウス(3代目・1,800cc)に乗っていました。
普通のガソリン車から乗り換えた直後は、その利き過ぎるブレーキやアクセルのレスポンスに違和感がありましたが、乗り慣れるとけっこう楽しい感じがしました。
 
トヨタのHV車に乗っていた経験からも、ホンダのHV車はどうなのか、非常に興味がありました。
 
で、インサイト(初代・排気量1,300cc)です。
 
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全体のボディデザインは、あからさまに言えば“つぶれたプリウス”。まあ、空力性能を重視すれば、どんな車も似てくるのでしょうね。どの国の飛行機にも翼があるのと同じで・・・。リアウインドウが上下2分割、というところまで同じなのは?ですが。
 
実際に走ってみた感想ですが、
 
プリウスとの大きな違いは、モーターの利用方法じゃないかと思います。プリウスはモーターを動力として積極的に使っていますが、インサイトはあくまでもエンジンの補助として使っているようです。
 
つまり、プリウスはバッテリーが満充電の場合、平地を走行しているならエンジンを使いません。例えば長い下り坂を下りた後、10分程度はモーターだけで走行したりします。停車状態から走行を開始する時、しばらくはモーターで走ってから遅れてエンジンがスタートします。そのショックが全く無く、実にスムーズなのはたいしたものです。
 
一方インサイトは、停車するとエンジンが止まり、ブレーキから足を離した際にエンジンがかかります。走行中は殆どエンジンがかかったまま。なんだかアイドリング・ストップ付きガソリン車のようです。プリウスには無いタコメーターが装備されている点から見ても、基本的には主動力はガソリンエンジンという事なのでしょう。
 
そのせいもあってか、一般道を走行している時のアクセル・フィーリングは、インサイトの方が良いレスポンスです。しかし、停車している時にブレーキから足を離してすぐにアクセルを踏むと、エンジンがかかった時のショックを感じる事があります。これはあまり良い心地がしませんね。
 
不思議なのは高速道路での感覚です。今度は逆に、プリウスの方がアクセルのレスポンスが良く感じるのです。これはプリウスの方が大排気量・高馬力だからでしょうか。
 
両社の、HV車に関する設計思想の違いを感じます。
 
インサイトに乗ってみて、これはちょっと・・・と思った点が2つあります。まずドアを開ける感覚です。ドアノブを引っ張ると、ラッチが外れる感覚が全く無く開いてしまいます。これは他の自動車では感じた事がありません。とても心もとないですね。
 
もうひとつは、後部座席の狭さです。とにかく天井が低すぎます。身長175センチの私が普通に座っても、頭上には全く余裕無し。とてもじゃないですが、長い時間は乗っていられません。
 
実際の燃費は、プリウス、インサイトともリッター20キロ前後でした。これは私の乗り方が良くない(アクセルを踏み込むタイプなので・・・)せいで、もっと丁寧な乗り方をすれば燃費はグッと上がるはずです。
 
今のところ、次のマイカーとしてHV車を選択するつもりは無いのですが、もしどちらかを選ぶとしたら、私はプリウスを買うと思います。理由は・・・、フィーリングの問題と言うほかありませんが・・・。