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木星 2004年2月10日撮影
 
今シーズンはうお座にいる木星。
そろそろ夜半前に東の空に姿を現し、観測好機を迎えます。
 
黄道12星座の中を、1年ごとに移動していく木星。従ってこの前うお座にいたのは12年前という事になります。
 
気流の安定する季節に南中するわけですが、冬に太陽がいる場所近辺ですから南中高度はあまり高くなりません。今シーズンは南中時でも55度前後ですね。
 
そういえば先日のニュースで、“木星の縞が消えた!”なんて話がありました。
 
木星といえば、小口径の望遠鏡でも良く見える、2本の縞がトレードマークです。大赤斑に近い『南赤道縞(SEB)』と『北赤道縞(NEB)』ですが、今シーズンはこのうちSEBが非常に薄くなっているとの事。写真でいうと上側の縞ですね。
 
理由は定かには知りませんが、天体写真では、星座や星雲星団を撮影する場合には北(天の北極)を上にしますが、月や惑星を撮影する際にはその天体の南側を上にします。
 
まだ今シーズンの木星を見ていないので、実際のところピンと来ないのですが、目立つ縞が1本足りない姿は、ちょっと間が抜けた感じでしょうね。
 
そもそも木星の縞模様というのは、アンモニアやメタンが主成分の木星の大気が、緯度ごとに反対に流れているために出来ていると考えられています。その大気の流れと言うのが、秒速数百キロメートルという暴風だそうで、縞模様は絶えず変化
しています。
 
数年から10数年に一度の頻度で、この縞模様が消失する現象が起きる事は知られています。今回は昨年からだんだんとSEBが薄くなり、5月には殆ど見えなくなったそうです。暴風が止み、穏やかな風になっているのでしょうかね?
 
赤道縞1本状態の木星を、早く見てみたいものです。