マタンゴ 1963年(昭和38年)東宝映画
ついに来ました。
デアゴスティーニ東宝特撮映画DVDコレクションの第15号、『マタンゴ』です。
太平洋ヨット旅行に出た若き7人の男女。突如吹き荒れる暴風雨のため難破し、一行は霧深い暗黒の無人島に漂着する。カビと不気味なキノコに覆われた孤島で飢餓と疑心に苛まれ、しだいに理性を失っていくなかで、彼らは奇怪なキノコ人間に遭遇する。そこは第三の生物《マタンゴ》が生息する島だったのだ!
あらすじはざっとこんな具合。
私がこの『マタンゴ』を初めて見たのは、たぶん小学生の頃にテレビで放送された時だったと思います。ただその時は、不気味で怖くて、ちっとも面白く感じなかった気がします。
その後、大学生の頃にVHSテープで何度も見直して、すっかりこのSF恐怖映画のファンになってしまいました。
映画のハイライトは、なんと言っても水野久美さんの水着姿!でしょう!(見方が間違ってる?)淫靡な魅力で男たちを惹きつける歌手、麻美を演じていますが、とにかくスゴイ色気ですね。
謎のキノコ“マタンゴ”を食べると、男は姿がキノコ化し、女は生命力が溢れて妖艶になるという設定で、キノコを食べた麻美(水野久美)の妖しい魅力はただ事ではありません。絶海の孤島で、彼女のような女性と一緒にいたら、間違いなく理性は吹っ飛びますね。
飢餓と人間不信による理性の崩壊、人間の人間らしさの脆さを、奇怪なマタンゴを通して描いている映画です。
ところで、Wikipediaで『マタンゴ』を調べていたら、面白い内容を発見しました。この映画の登場人物には、それぞれモデルが存在するとの事。実名を書くのは憚られるので、興味のある方は調べて見て下さい。
さて、本多猪四郎監督の秘蔵っ子佐原健二氏が、金持ちのボンボンに臨時で雇われた金の亡者のような船員を演じているのですが、二枚目俳優である彼が、役のために前歯を抜いています。映画のジャンルを問わず、常に役のために全力投球で臨む佐原氏らしいですね。