イメージ 1


白樺湖を通り、美ヶ原高原に続く観光道路ビーナスライン。
その途中にある『八島湿原』(八島ヶ原湿原とも)です。

日本最古の屋外競技場遺跡と言われる、旧御射山遺跡(きゅうみさやまいせき)がそばにあります。鎌倉時代、信濃や甲斐はもとより、遠く鎌倉からも武士が集まり、流鏑馬などの競技会が開かれていたとの事。諏訪大社下社の祭事場所として使われていた場所だそうですが、なんとなく神様に近づいた気がするような、そんな感じのする場所でもありますね。

ビーナスライン建設を進める長野県企業局と、地元の貴重な自然と遺跡保護のために建設反対を唱える諏訪の男たちの戦いを描いた、新田次郎の名著『霧の子孫たち』。
主人公青山銀河は、諏訪天文同好会会員で天文普及活動に力を注いだ、故青木正博氏がモデルになっています。

青木氏は、高度成長期に急速に進んだ光害から美しい星空を守るために結成された、日本星空を守る会の初代会長でもありました。
環境保護運動の先駆者でもあったのです。

青木氏が中心に進めた、八島湿原と御射山遺跡保護運動の結果、ビーナスラインはそれらを迂回して建設されたのです。

今もこうして八島湿原の美しい景色を楽しむ事ができるのも、青木氏をはじめ、この地区の自然環境保護に取り組んだ先人達のおかげですね。

暑くなると、霧が峰高原あたりの涼しさが恋しくなります。天気のいい日に、ちょっと涼みに行きたいものです。