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『バリ島珍道中(Road to Bali)』 1952年パラマウント映画

半世紀以上にわたり、世界中で愛されたコメディアン、ボブ・ホープ。

日本でも、戦後まもなく公開されたジェーン・ラッセル(グラマー女優として有名でした)と共演したミュージカルコメディ『腰抜け二挺拳銃』(1948年)で、大人気を博します。
劇中で歌った“Buttons and Bows”が、『バッテンボーの歌』として有名になりました。以前はこの『腰抜け二挺拳銃』も、テレビで何度か放送されたものですが、さすがに公開から60年以上経ち、最近は放送されませんね・・・。

昭和ひと桁生まれの私の両親も、若い頃にはずいぶんボブ・ホープの映画を見たようです。両親は“ボッブ・ホープ”と発音しますが、当時はそう呼ばれていたんでしょうか。

さて、写真の『バリ島珍道中』は、ビング・クロスビーとの軽妙な掛け合いで人気を博したいわゆる“珍道中シリーズ”第6作としてヒットしたもので、シリーズ初のカラー作品です。尋常でない女好きの二人(Bホープ、Bクロスビー)は、度重なるトラブルから、ついに町から追い出されてしまいます。その二人が就いた新たな仕事が潜水夫。
海から引き上げた宝物を売りさばこうとする王女と共にバリ島に向かった二人は、またまたトラブルを引き起こす・・・、というようなお話です。

いわゆるドタバタ喜劇ですが、この手のジャンルの映画は最近少ないのでしょうかねぇ。観客を楽しませるという、映画に一番求められるものを直球勝負で行っていますから、実に小気味がいい。

しかもこの二人の芸達者ぶり、マルチタレントなんて括りでは言えません。今の日本の芸能人にはいませんね。ビング・クロスビーは、歌手としても超一流でした。

サービスに次ぐサービスで、笑いを止める暇もないという感じです。

1930年代から40年代にかけての人気は凄まじく、1年間に5本の映画に出演した年も何度かあるほどです。

ボブ・ホープは非常に長寿で、2003年に満100歳で亡くなりました。1990年代までは現役で活躍していたそうですから、ハリウッドでも1・2の長さの芸歴でしょうね。