イメージ 1


『怪奇大作戦』 桑田次郎:画 朝日ソノラマ刊

毎週日曜日の夜7:00~7:30の『タケダアワー』(武田薬品1社提供枠)。

『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』と続いた、TBS空想特撮シリーズ。その後、突如番組の路線が変わります。

1968年(昭和43年)秋、同じ円谷プロダクション制作の『怪奇大作戦』が始まりました。

それまでの怪獣物ではなく、怪奇事件を科学的に分析解決する『SRI(科学捜査研究所)』というチームが主役の番組でした。

そのメンバーは、牧司朗(岸田森)、三沢京介(勝呂誉)、野村洋(松山省二)の3人に、所長の的矢忠(原保美)とアシスタントの小川さおり(小橋玲子)。頭脳明晰な牧、武道が得意な三沢、ちょっとおっちょこちょいだけれどムードメーカーの野村。3人のキャラクターを実力派の俳優陣が演じ、それまでの特撮物とは数段違ったドラマに仕上がっていました。

各回に出演するゲストも豪華で、森山周一郎や浜村純、天本英世、小松方正、平田明彦らが、それぞれのエピソードを盛り上げていました。

とはいえ、まだ小学校に上がる前だった私は、毎回怖くて怖くて仕方なかったものです。怖いけれど見たい。父や母のそばにくっついて、びくびくしながら見ていたことを思い出します。

そんな中でも、第24話「狂気人間」のインパクトはかなりのものでした。脳波変調器という物を使い、一般人を狂人にして殺人を犯させるという話でした。心神喪失状態の人間は、犯罪を犯しても罰せられないという刑法を揶揄したとも思える内容で、再放送やビデオ化の際にも欠番とされました。

ずいぶん前に、どういうルートだったか忘れましたが、この「狂気人間」のVHSテープを手に入れました。たぶん、今でも実家に置いてあると思うのですが、定かではありません。

さて、写真は、桑田次郎氏が作画した『怪奇大作戦』のコミックです。何話かは、ドラマのエピソードが入っており、オリジナルのストーリーも含まれます。桑田氏独特のシャープな線描が、ドラマの独特な『怖さ』を表現できていると思います。

当時、何人かの漫画家の方が、違う雑誌で『怪奇大作戦』を描いていたようです。それだけ人気が高かった番組だった、ということの表れなのでしょうね。