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アサヒペンタックスSL Super-Takumar50mm F1.4付き 1969年製(ここが重要)

大ベストセラーだった『アサヒペンタックスSP』から、TTL露出計を省いたモデルとして発売されました。

だいたい当時、休日の動物園や遊園地で、家族連れのお父さんたちが首から提げていたカメラの半分はアサヒペンタックスってくらい。その殆どがSPだったと思います。ビートルズも愛用していました(東京公演でNikon Fを買うまでは・・・)。

感覚的には、露出計を省いた『廉価版』カメラというふうに思いますが、当時、カメラ内蔵の露出計を信用出来ず、単体露出計を使用する人も多かったため、実は上級者向けという位置づけのモデルだったのです。

当時の『天文ガイド』を見ると、多くの人がペンタックスSPやSLを使っていました。SLは、電池を全く使用しないモデルですから、天体写真にはピッタリの機種です。ニコンほど交換レンズの価格も高くないし、旭光学工業は庶民の味方でした。

で、ペンタックスユーザーが必ず持っていた交換レンズが、写真左の135mm F3.5です。とにかく、まず『望遠』が大事なのです。しかもなぜか135mm。

望遠レンズの圧縮効果を求めれば、200mm以上の焦点距離が欲しくなりますし、人物写真(ポートレート)なら85mmくらいの方が使いやすい。

無理すればどっちでも使えるっていう、貧乏性な焦点距離が135mmだったんでしょうか。

標準の50mmは、コーティングのヤケがひどくて、カラーバランスが取れない感じですが、ネガカラーなら、何とか調整できる範囲でしょう。

40年経った今でも問題なく作動する、布幕横走りフォーカルプレーンシャッターの柔らかな感触、分割巻上げも可能な、曲線を使った巻上レバー。
電装部品がないという強みでしょうか、写真のSLは、バリバリ元気です。

写真に写っている金属製キャップだけでも、最近は値段が付くらしいですね。

もう少し状態の良い標準レンズと、28丱ラスの広角レンズを入手して、60年代の写りを楽しんでみたい気がしています。