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『気まぐれコンセプト』 ホイチョイ・プロダクション著 1984年小学館刊

ビッグコミックスピリッツ誌上、最長連載を更新し続けている4コママンガです。1981年に連載が始まり、この単行本(第1巻とも何とも書かれていない)は1984年に刊行されました。

その後全く単行本化されていなかったのですが、突如2007年に23年分の選りすぐりを集めた『気まぐれコンセプト クロニクル』が出ました。

ホイチョイ・プロダクションがやる事は、さすがに侮れない・・・。予想もしませんでした。

さて、主人公ヒライ君は、広告代理店白クマ広告社の営業マン。彼を中心にバブル以前の“古き良き時代”の広告業界を、ナンセンスなギャグで描いています。

ちょうど私が大学生の時に連載が始まったこともあり、「へぇ、こんな業界もあるんだ」と就職活動を前に、広告業への興味が湧いたものです。

このマンガに出てくる『白クマ広告社』は、当時博報堂がモデルとも、日産自動車のハウスエージェンシーだった日放(現在は博報堂の関連会社)がモデルとも言われていました。ライバル会社の『荒鷲エージェンシー』は電通がモデルだとか。ヒライ君と荒鷲Agの営業カヤマ君が担当するのがカブト自動車で、これは当時の日産自動車がモデルになっていると言われています。

なんの巡り合わせか、その後転職したことで、私もこの業界の片隅に生きることになりました。今回久々に読み返してみました。当時以上に笑えるのは『絶対ありえないけど、いかにもありそう』なネタ満載ってことでしょうか。

さて、もうひとつの注目は、この表紙。モデルのヒライ君が、1984年当時の流行り物全てを紹介してくれいています。

ポール・スチュアートのグレイフランネルスーツ
ラルフローレンのボタンダウンシャツ
チップスのネクタイ
ジョンストン&マーフィのタッセル・スリッポンシューズ
当時の私も、似たようなカッコをしていたものです(ブランドはワンランク下でしたが)。

他にも注目の品がいくつも。
ショルダーバッグはハンティングワールド、レインコートはアクアスキュータム、ゼロハリバートンのトラベルバッグ、プリンスのテニスラケット、オーリンのスキー板、ゲームはバック・ギャモンのブリーフケース型、タグホイヤーのダイバーウォッチ、パイオニアのレーザーディスクプレーヤー、ペリエのミネラルウォーターetc.

まさに当時のミーハーがもてはやした『流行りもの』の集大成です。ホットドッグ・プレスやポパイで常に紹介されていたブランドばかり。懐かしすぎる!

・・・あまりIVYな感じのネタじゃありませんでしたね・・・。