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アイピースというより『接眼レンズ』。
70年代からの天文ファンには懐かしい、24.5mmサイズ(ツァイスサイズ)の接眼レンズです。しかもオルソやケルナーといった、高級タイプではなくて、ミッデンツェー・ハイゲンス(H.M)タイプ。今から150年も前に設計された形式です。ベースになったハイゲンス(ホイヘンス)は、ホイヘンスの原理を発見したクリスチアン・ホイヘンスが発明したもので、もう300年以上も前の設計ですよ。

メニスカスレンズと平凸レンズ2枚構成で、張り合わせが無いミッデンツェー・ハイゲンス型接眼レンズは、集光による熱が発生する太陽観測に向いています。

ミザールやカートンといった、古くからの天文ファンにはお馴染みのブランドです。25mmはTS式80mm屈折(焦点距離1,200mm)用、20mmはビクセンED80S(同720mm)用、12.5mmはTS式65mmP型(同500mm)用です。いずれも、投影板に太陽像を投影するときに使用します。

写真を見て判る通り、たぶん右と真ん中のものは、同じメーカー製です。カートンの20mmと、以前に持っていたスリービーチの20mmが、全く同じものだったことからも、当時の望遠鏡メーカーの多くにOEM供給していた接眼レンズメーカーがあったのでしょう。確認したわけではないですが、それは谷光学なのではないかな?と考えています。

当時の望遠鏡に付属していた接眼レンズは、中~高倍率用として、たいていこのHMが付属していました。Or(オルソ)やK(ケルナー)といった高級レンズは、別売りのことが多かったですね。

この写真の他に、同スペックの接眼レンズとしては、五藤光学のMH6mmとAH30mm、スリービーチのMH5mmを持っていますが、短焦点のものは想像を超える覗き難さです。眼球をアイレンズにくっつけるくらいにしないと、まず全視野を見渡せません。視野は狭いし、短焦点の望遠鏡には向かないし、良い所が少ないものですが、星に興味を持った頃を思い出させるレンズなのです。